ケーススタディ:多様化する業務形態をDelphiによるシステムで一元管理。株式会社トップ工業の挑戦は続く

投稿者:: Hitoshi Fujii

概要: お客様の要望に応えていくと、業務の形態もさまざまになる。これをシステムで一元化することは、思った以上に大変な作業であった。株式会社トップ工業に導入された生産管理システムは、Delphiを使って効率的に開発された。しかし、業務に合わせてシステムをうまく使っていくには、まだまだ分析が必要だった。


株式会社トップ工業は、川越に本社を構える各種金属製品焼付塗装/樹脂製品塗装業者だ。

それまで、トップ工業では、複数のスタンドアロンのシステムを使って、個別に業務を管理していた。そのため、担当者に依存した管理となり、全体の把握が難しくなっているという問題を抱えていた。

トップ工業のお客様は大手から中小まで幅広い。お客様によって管理方法や発注方法も異なる上に、特急作業のような要望にも応えなければならない。部材入荷後速やかに生産、というような仕事の仕方もしており、流れも均一化していない。「お客様の要求がどんどん変わってくるので、その都度システムを変えていかざるをえなくなり、どうにもならなくなってきたんです」こう語るのは、株式会社トップ工業 代表取締役の高橋 正氏だ。

    全体の把握が可能になった新システム

この現状を打破するべく、高橋社長は、昔からの知人で携帯電話などの高密度チップ実装で定評のある双葉通信機株式会社の金井社長や佐々木部門長に相談した。すると、独立してシステム開発業を営んでいるアフテック株式会社の谷口良広氏を紹介された。

谷口氏が最初に取り掛かったのは、既存システムの分析だ。ヒアリングなどを進め、Delphiを用いて開発に取り組み、2006年春に最初のバージョンをカットオーバーした。「細かな修正が頻繁にあることを念頭に開発しました。入力画面は、操作性にこだわったのですが、画面のレイアウトなどは変更可能にして、外部ファイルに保存するようにしました。これで、細かい修正要求のたびに、実行ファイルを配布する必要はなくなりました」帳票に対する要求も多かったが、レイアウトの自動調整機能など、柔軟性に徹底的にこだわっている。これは、お客様の要求がどんどん変わるという状況を見越しての対策だ。

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金属製品の焼付け塗装を請け負うトップ工業。お客様は大手から中小まで幅広く、お客様によって管理方法や発注方法も異なる。「お客様の要望はどんどん変わる。でも、それに応えていかなければならないんです」

お客様の要望に応えてこそのシステム。トップ工業高橋社長の要求は高いが、顧客視点では当たり前のことだ。


新システムは、2つの工場を結び、どちらのPCからも情報にアクセスできるようにして、全体の把握を可能にした。さらに、売上やライン別損益もリアルに出せるようになり、当初の要件は満たした。

    一元化によって発生した新たな問題

しかし、順調に思われた新システムも、大きな壁にぶつかることになった。それは、業務の流れが均一化されていないことが表面化したことだ。「一元化されたシステムを導入して、流れとしてはすっきりしたがために、すっきりできない部分が表面化したのです。これまでは、スタンドアロンのシステムだったために、現場で適宜対応していたわけです」と谷口氏。

スタンドアロンのシステムの場合、オペレーターの裁量で、業務に合わせてシステムを使う。しかし、それは会社全体としては統一されたものではないので、そうやって蓄積されたデータは、一元的に扱うことはできないのだ。

「システムの管理精度を上げるためには、ただデータを入れればいいというわけではないんですよ。仕事の目的を達成するためにコンピュータを使う。システムを使うのが最終目的ではないんです」と谷口氏。「システムにあわせる=お客様の要求に応えられない」という矛盾した結果に陥ってしまうのだ。

    業務にフォーカスをあてシステムの改良

こうした経験を踏まえて、同社のシステムは次の段階にある。これまでの作業は、機能を移行することに主眼を置いていた。しかし、現在は、業務にフォーカスして作業をしている。

「プログラムはさておいて、業務分析をやりましょうということになりました。単純にシステム要件をヒアリングしただけでは、だめなんですね」(谷口氏)

トップ工業は、今後5年~10年使っていくようなシステムの基盤が導入された状態だ。この基盤をどのように複雑な業務とうまく結び付けていくかが、これからの挑戦となる。しかし、すでに導入後の対応で実証されているように、谷口氏の開発したシステムは、ユーザーの要求にすばやく応えられる柔軟性を備えている。谷口氏は、「要求と結果がリアルタイムなんですよ」と苦笑した。

谷口氏によれば、今回のシステムは、機能面では、ここ数年の開発の集大成であるといってもよいものだそうだ。「今のシステムをゼロから作ってくれといわれると、かなりのコストがかかる。しかし、Delphiだと、古い資産を有効に使えるのでコスト削減が可能だったんですよ」

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50種類以上の帳票は、文字数でのレイアウト制御が簡単にできるようになっているほか、表示項目数をカスタマイズして列幅を自動調整したり、タイトル、表示項目及び順序、データの出力順序、文字の大きさ、抽出条件などを印刷時に容易に変更、設定できる機能を装備している。また、入力画面はデータ入力を容易にするため「選択画面」を多用し入力時の操作性を追及。画面サイズや表示位置またグリッドの列幅は、変更可能とし、その状態を保存する機能を備えている。

株式会社トップ工業

 埼玉県川越市寺山167

 TEL 049-225-2282(代)

 www.top-k.co.jp

会社概要

 株式会社トップ工業は、1955年に高橋塗装所としてスタートし、現在、各種金属製品焼付塗装業 樹脂製品塗装業を事業内容とし、塗装業界において、No.1企業Only 1企業を目指し全社員努力を継続している中、ISO9001:2000の認証やISO14001認証を取得。

業種

金属製品焼付塗装/樹脂製品塗装業

システム

・生産管理システム

課題

・拠点ごとに分散するシステムとデータを一元化

・増え続けるデータへの対応

・頻繁に変化する顧客要求への対応

使用製品

・Delphi

成果

・拠点間でデータを共有、一元管理が可能に

・入力、照会、帳票出力など、操作性、柔軟性の高い機能を提供

・カスタマイズ要求に柔軟に対応可能


開発会社

・アフテック株式会社

 変化の激しいソフトウェア業界で、斬新さや使い易さにおいては大手ベンダーよりもいいものを作ろうと、技術屋根性で挑戦中。これまで、販売・物流・生産管理システムのフレームワークを独自に開発し、生産性、柔軟性、保守性、信頼性を、SOA(サービス指向アーキテクチャ)的に追求してきた。


Delphiについて

驚異的な生産性を実現したWindows向けビジュアル開発ツール。業界トップクラスの高速コンパイラに、豊富なビジュアルコンポーネントを搭載し、マウス操作ですばやく目的のアプリケーションを開発できる。最新バージョンは、Borland Developer Studioに統合され、マルチ言語での開発にも対応。入門者向けには、Turbo Delphiとして無償版、エントリー版を用意している。


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